プロフェッショナルサポーター コラム
地方在住で全国誌の副編集長になってみた。
2019.4.3 UP
- カミカワークプロジェクト 地域編集者
アサイアサミ
こんにちは、アサイアサミと申します。2012年に東京から中国地方の岡山県へ移住し、現在の主な生活拠点は岡山です。仕事は執筆と編集業です。
そして2017年から雑誌「TURNS(ターンズ)」の副編集長をつとめています。全国で発売される、地域・移住をフックにしたライフスタイルマガジンです。
リニューアル1号目は大変すぎて耳が聞こえなくなりました。
日本全国の書店に並ぶ雑誌の多くは東京の出版社でつくられています。ターンズも出版元は東京の会社。大手印刷所もほぼ東京拠点。
そんな出版業界のホームからアウェイの岡山へ移住したときは「もうこの業界で仕事することはない」と思ったものです。しかしいま、ターンズで副編集長をつとめている。毎号100ページ近くを担当。うそだろ?
地方へ行ったら、まさかのキャリアアップ。
私は東京生まれの東京育ち。出版社で雑誌編集者として働き、2008年に結婚。会社に居づらくなってフリーランスになり、2009年、子どもを妊娠・出産。休業しそのままフェードアウトで専業主婦まっしぐら。それが都会における子どもを産んだ私(女)の「役割」。保育園?もちろんフリーは門前払い。
しかし、田舎へ来ると行政サービス・福利厚生が最高すぎて、子どもが幼稚園になると身軽に。時間と気力と善意が有り余って編集者として現場復帰します。
岡山のひとには「地元民より岡山エンジョイしてる」といわれる一家です。
ときに現場にも子どもを連れ、岡山をはじめ全国を取材。会いたい人に会える、生きたい所へ行ける、好きなコトを自慢できる。やっぱり編集は私の天職でした。あきらめなくてよかった。
憧れのあの雑誌この雑誌も「地方」に特化することで書くことができましたし、ターンズをおまかせいただけるご縁も得ました。
このチャレンジを通して、ひとは暮らす場所にとらわれず自分の時間を生きられることを知りました。「東京でしかできない」と思い込んでいた仕事は「地方だからこそもっと自由に面白く」やれる仕事だったのです。たぶんそういう仕事たっくさんある。
そうだ、上川町いこう。
現代社会は働く「場所」にとらわれなくて良いことを私自身が実証しました。では、どういう視点で「暮らす場所」を見つけるかという話です。上川町は北海道でも有数の豪雪地帯。暮らしづらいなぁと思うかたもいらっしゃるでしょう。日本人は利便性イコール価値と思いがちですが、その価値観から少し自由になると、ここには暮らしやすいポイントがたくさんあります。
上川町の大雪原ではしゃぐアラフォー。電線ひとつない別天地!
ふと外をみたらキレイな景色で心が晴れ晴れする。泉質サイコーな温泉がすぐそばにある。まちのひとがみんな優しい……。
私から見ればここは可能性しかない。移住して生きかたを変えるのなら、成功事例のコピペしかできないレッドオーシャンを泳ぐより、未開だけど可能性が山積するブルーオーシャンを泳いだほうが楽しいと断言したい。しかも上川町はイノベーションへの一歩を踏み出しはじめています。最高です。移住するならこんなまちがおすすめ。
そして、地方地域の魅力とは、そこに「ある」から目指すのではなく、自分自身が「つくって」いくものだということを、声を大にしていいたいです。