kamikawork カミカワーク

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Internship Tours 2020 活動レポート

「KAMIKAWORK INTERNSHIP TOURS 2020」とは、全国から集まった12名の参加者がバーチャル法人「Inc.KAMIKAWORK」のスタートアップメンバーとして取り組んだ、事業開発型インターンです。2020年9月~12月の期間、ミッションごとに4名ずつ、3つの班に分かれて活動しました。その様子をレポートします。

新しいビジネスの開発。
12名に課せられたミッションとは

1班のミッションは「ITを活用した地域経済活性化と新規ビジネスの創出」。ECやライブコマースなどの活用も視野に、「リモートとリアルをMIXした伸縮自在な社会」を実現する方法を考えます。
2班は、「上川町の地域資源を活かした新しいAT※コンテンツの開発と事業化」がミッション。大雪山とその麓の雄大な自然を生かした、上川町ならではのアクティビティ開発を目指します。
「地元の事業者や人々と連携した新しい事業の創出」というミッションに挑むのは3班です。上川町で暮らす人々と連携し、お土産の開発や、新たな観光プログラムの企画に取り組むことで、新しい町の魅力を創出します。

※AT(アドベンチャーツーリズム)とは「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」をいいます(Adventure Travel Trade Associationによる定義)。

tour1

企画スキルアップの旅

このインターンシップは、4つの「TOUR」で構成されています。TOUR1は「企画スキルアップの旅」。ローカルビジネスの第一線で活躍するプロフェッショナルから企画や経営などについてのレクチャーが行われました。

ファーストミートはオンラインで

オンラインで実施されたオリエンテーションでは、上川町役場メンターからの概要説明のほか自己紹介タイムも。普段大学で学んでいる分野や、出身地、このインターンで成し遂げたいことなどが語られ、メンバーの個性を感じられる時間となりました。この後控えている上川町でのフィールドワークで、直接会えるのが楽しみになったのではないでしょうか。

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スペシャリスト講師陣による特別講座

オリエンテーションのあとは、約1週間にわたりスペシャリスト講師たちによる特別講座が行われました。講師陣は、Inc.KAMIKAWORKのCDO(チーフデザインオフィサー)でもあるL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表の龍崎翔子さん、Afro&Co. Inc.代表のアフロマンスさん、および、株式会社わざわざ代表取締役の平田はる香さん、チームラボキッズカタリストの遠藤香さん、有限会社きたもっくの福嶋淳平※さんと豪華な顔ぶれです。龍崎さんは「言語化しやすいサービスや特色を設計することで、お客さんに“発信”しやすくしてあげることが大切」とSNSで拡散されるための仕掛けについても伝授。また、アフロマンスさんは「アイデアから実現までの道のりは山登りに近いプロセスがある」と、自身の経験に基づくユニークなレクチャーをしてくれました。

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※福嶋淳平さんの講義はTOUR2中に行われました。

参加者の吉田さんは「印象に残ったのは、平田さんの講座。経営について独自の考え方を知れて参考になりました。また、今はもう読みたい本が見つからない程、たくさんの本を読みつくしてしまったというお話も知性的な方のエピソードとしてとても印象的でした」とのこと。独自の考えでビジネスを起こしているプロフェッショナルたちから生の言葉を聞くことができ、参加者たちのモチベーションが急上昇した「TOUR1 企画スキルアップの旅」。オンライン講座での学びをヒントに、どのようなアイデアや企画が生まれるのか、期待が膨らむ内容でした。

tour2

上川町フィールドワークの旅

いよいよ実際に上川町を訪れる「TOUR2 上川町フィールドワークの旅」へ!9月下旬、日本一早い紅葉が始まった上川町に12名の参加者が集まりました。オンラインで顔を合わせていたとはいえ、チームメンバーと対面するのは初めて。どこか緊張した面持ちでTOUR2がスタートしました。

上川町のトップと直接意見を交わす

まず行われたのは、佐藤芳治町長との意見交換会。「大都市の真似をするのではなく、上川町が持っている、他に勝るものを生かしながら新しい価値を創出したい」という町長の思いを聞いたメンバーから、移住や仕事、教育、まちづくりについてなど、さまざまな質問が挙がり、活発な意見交換の時間となりました。

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予告なしで始まった「カレー作りコンテスト」

昼食後、層雲峡オートキャンプ場に集まったメンバーに告げられたのは「カレー作りコンテスト」がその日のメインイベントであるということ。突然始まった勝負に戸惑いながらも、各チームオリジナリティのあるカレーを作るべく、食材の買い出しからスタート。1班は上川町の新鮮な野菜を主役に、チーズでボリュームをプラスしたカレーに。2班は「映える皿」を目指して2種のカレーを作りました。3班のカレーは上川大雪酒造の酒粕入り。特産品を隠し味にするというアイデアカレーに仕上がりました。
役場職員を中心としたメンバーによる厳正な審査のすえ、この勝負を制したのは3班。惜しくも敗れた1班・2班も含め、すべての参加者にとって、誰かと協力してミッションをクリアするというインターン最初の経験となりました。

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現状と理想を整理し可能性を探る1班

TOUR2ではチームごとで自由に上川町をリサーチできる日も設けられています。この日、早朝から黒岳ロープウェイに乗り込んだのはIT活用をミッションとする1班。お目当ては、他のチームからもおすすめされたという雲海です。天気にも恵まれ、5合目にある展望台からは美しい雲海を望めることができました。地元出身者である舟橋さんは、「雲海が出ることは知っていましたが実際に見たのは初めて。こんな景色を地元で見られるなんて…」と、上川町のポテンシャルの高さを再確認していました。この体験が、ITを活用した新規ビジネスの開発にどのように生きるでしょうか?
ランチタイムは地元のラーメン店へ。地元で評判の「黒潮ラーメン」や上川の渓谷味豚(みとん)を使った餃子をオーダーしました。「味が濃そうに見えるのに、全然塩辛くない!」など、特産品を生かしたメニューへの工夫に感心した様子でした。 すき間時間に行ったチームミーティングでは、林さんをファシリテーターに「上川町が持つ尖った部分とは」という議題に。事前に、「上川町の課題」、「町の理想的な姿と現実とのギャップ」について話し合っていたらしく、この日見聞きしたことを材料に考察を深めていました。

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自ら楽しむことで魅力を見つける2班

ATコンテンツ開発をミッションとする2班は、午前中に「アイスパビリオン」を訪問し、「寒さ」をエンターテインメント化するヒントを得ました。午後からは、3班と一緒に大雪山ツアーズの為国さんとATについての座談会を行うことに。上川町でのATツアー商品の企画意図や、層雲峡のまちが実はスイスをモデルにしていることなど、参加者たちが目で見て体験したもののルーツを知ることができました。参加者からは「他の地域とどのように差別化しているのか」という質問も。為国さんからは、「人手不足も相まって、なかなか明確な差別化ができていない」という現状に加え、「上川町を選んでもらうにはどうしたらよいかは参加者のみんなも一緒に考えてもらいたい」というリクエストもいただきました。
その後は、「大雪つりぼり」へ。実際に体験しながら、「釣りも既存のアクティビティとつなげられたらおもしろいかも」と話すのは、今回のインターンで起業を含め自分の進路を見極めたいという佐藤さん。「ATの話を聞いたり、実際にアイスパビリオンやつりぼりを訪れてみて、お客さん目線で行きたいと思うコンテンツを作る必要があると感じた」と続けました。自ら楽しんだ経験がどのように提案に生かされるでしょうか。

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色々な場所に行き、人に会い、知見を深める3班

3班は1班と一緒に上川大雪酒造の「緑丘蔵」へ。「緑丘蔵」の日本酒は、大雪山麓の天然水と隣町の愛別町の酒米だけで作られており、全国にファンがいる上川町の特産品です。基礎知識や工程説明を聞きながらの酒蔵見学は、地元事業者との新規ビジネスの立ち上げをミッションとした3班にとって、企画への大きなヒントになったのではないでしょうか。
午後は2班とともにAT座談会に参加しつつ、夕方からは、役場担当者から幼児教育やふるさと納税の話を聞きました。現状を知った上で、「自然を活用するなど上川町ならではの教育方法があってもよいのでは」など積極的な意見交換が行われました。ふるさと納税の話題では、現在78種類もの返礼品があるものの、キラーコンテンツや情報発信が不足しているという課題の存在を知ることに。この課題に向き合うことも、アイデアの切り口の一つになるかもしれません。 また、別日程でラフティングも体験。アルパインリバーガイドの大田俊斉さんから、事業立ち上げの経緯や課題についてヒアリングしつつ、上川町の自然の魅力を「川下り」という形で味わうことができました。

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有志メンバーによるワークショップも

この日の夜、株式会社L&Gグローバルビジネスが手がけるHOTEL KUMOIに有志メンバーが集まりました。目的は、L&G社の吉田さん主催のワークショップです。顧客の“行動”や“思考”、“感情”といった目に見えないものを可視化する「カスタマージャーニーマップ」の作成にチャレンジしました。
はじめは遠慮がちだった参加者ですが、「“感情”の項目、誰かいない?」という吉田さんの呼びかけに、「表面上の映えより、自己投資したいなぁ」という付箋を貼る三船さん。おぉーという納得の声とともに、あちらこちらからさまざまな“感情”が飛び交いました。どんな意見も肯定的に受け止め合いながら、徐々にマップができあがっていきます。参加者は、ターゲットとする顧客の内面を可視化することで、課題解決の手掛かりが見えてくるということを楽しく学べた様子でした。

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自分の目で見て、聞いて、食べて…五感を使って多様なインプットができた「TOUR2 上川町フィールドワークの旅」。この経験が、企画立てにどう生かされるか楽しみです。