去る3月14日、東京・銀座「NewsPicks GINZA」において「都市と地域の新しい関係性の再定義」をテーマとした、都市×地域のこれからを語るオンラインシンポジウムを開催。新型コロナウイルス感染拡大を機に、誰もが考えさせられた将来像の模索と設計。暮らしや働き方の拠点として、地域への視点回帰が注目される中、都市と地域の関係がより改善されることで、人々の暮らしの選択肢が広がり、豊かな社会の一歩になるかもしれない。対照的な都市と地域が協働・共創することで互いに成長し、より良い未来を目指すシンポジウム「LIOS 2021」。その様子をお届けします。
会場は今回の企画に協力・賛同いただいた
「NewsPicks GINZA」
2020年7月、NewsPicksがビジネス業界の最前線で奮闘するトップランナーたち、クリエイティブ分野のプロたちと、新しい知や事業やコンテンツを共創する新たなスクール「NewSchool」を開校。新時代の挑戦者を生み出し、事業づくり、コンテンツづくり、仲間づくりをサポートすることをビジョンとして掲げたプロジェクト型のスクールだ。LIOS2021は、そのリアルキャンパス「NewsPicks GINZA」で開催された。
新型コロナウイルスの影響に伴い
「オンライン」でのイベント開催
本来であれば、オフラインの場で参加者をお招きし、ディスカッションをしながらテーマを語る構想であった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一度は日程を延期するも、それでも開催のタイミングを「今」だと決断したのは、いち早く「都市と地域の関係性」を協議し、それを皆さんにお届けする必要があると考えたからだ。
総合司会は龍崎翔子氏、
基調講演・ゲストスピーカーにはマクアケの坊垣佳奈氏。
総合司会にL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表 / ホテルプロデューサーの龍崎氏、基調講演には応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を運営する株式会社マクアケ共同創業者・取締役の坊垣氏の他、各業界の経営層や地域をフィールドに事業を展開するイノベーターをゲストに迎え開催。
「都市と地域の協働・共創が生み出すもの
~相互メリットと豊かな将来像~」
都市、そして地域の官民連携が生み出し、得られるものを視点に、「都市」の代表として株式会社 TSI(ティーエスアイ)ホールディングス 下地社長、「地域」の代表に上川町 佐藤町長をパネリストに迎え、両者が目指す将来像をお話いただいた。(ファシリテーター:株式会社スケッチブック 北原氏)
「ファッションを通じた働き方・暮らし方を提案し、地域と共に新たなトレンドの発信地・コミュニティ形成を目指したい」と下地氏。都市企業・地域が抱える双方の課題にお互いが解決の糸口であることを垣間見えたディスカッションであった。
「ブランドと地域の関係性〜ブランドが地域にもたらし、
地域がブランドにもたらすこと〜」
ファシリテーターとして 上川町 産業経済課 移住定住グループの三谷主任。パネリストには、株式会社 コロンビアスポーツウェアジャパン 衛藤ブランディングマネージャー、上川町 層雲峡ホステル 志水オーナーのお二方をお招きし、コロナ禍とともに変革を迎えたローカルアウトドアの実情と将来を見据えた両者の取り組みについてお話いただいた。
「ローカルのフィールドを活用したアクティビティ・コンテンツ作りが我々ブランドの若手人材を育成し、ならびに地域への来訪者数に貢献することで雇用を生む流れを作れるのではないか」と衛藤氏。
これから連携協定を結び、並走してゆく両者の将来像は、LIOS2021のテーマそのものであった。
「ローカルイノベーターの役割とは〜ガストロノミー
ツーリズムを通じて、企業と人を繋ぐ〜」
パネリストに株式会社 ONE STORYシニアプロデューサーの福持氏、株式会社ROOTs 取締役COO 小口氏を迎え、ファシリテーターは総合司会に続き龍崎氏が務めた。
「ガストロノミー」の解釈を広げ、地域の伝統・文化・資源をどのように再編集し、地域体験を作り上げていくかをお話いただいた。
地域を着地点としたビジネスを展開し、都市と地域を繋ぐローカルイノベーター。いかにオンリーワンの事業を地域と共創できるかに重きを置き、他地域の事例や地域課題の解決プロセスに加え、導くべき官民連携の在り方をディスカッションいただいた。
基調講演、「時代の変化と、今だからこそ見えてきた
地方の可能性〜その具体例と手法〜」
株式会社マクアケ 共同創業者・取締役であり、Newspicks プロピッカーの坊垣氏による基調講演。
地方発のクラウドファンディング事例をもとに、これからの地方が導入すべき手法をご紹介いただいた。
「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」を目指す坊垣氏の言葉の背景には、都市部だけはなく地域を含む日本全体に光を当てること、視点を広げ拠点を増やすことが重要であると解釈した。
地域の方々・都市企業の皆さんに是非ご覧いただきたいと思います。