『都道府県魅力度ランキング』で10年連続1位の北海道。憧れのリゾートで暮らすことを前提に旅をしてみると、極寒で極上の斜め上な暮らしが待っていた。
寒いのが苦手なのに冬の上川町へ。マイナス10度の世界は初体験だ。おそるおそる外に出てみると「寒くない」、空気が澄んで気持ち良い。ここは自然とともに生きることが前提なので、住宅は寒冷地仕様で室内は暖かく生活のQOLが高い。そして圧倒的な自然がすぐそこに。大雪山の景色だけ見ると妖精しか住んでいないのではないかと思うほどの別天地。「確かにこのまちに足りないのは人なんです」というのは上川町役場のキーマン。そこで上川町は関係人口を生む“わざわざ訪れたくなる場所”をつくり、雇用も創出。それがカミカワークプロジェクト。「こんな場所で働けたら最高」「はい、働けます」、そんな上川町を旅します。
大雪高原 旭ヶ丘
大雪山連峰を有する雪原が広大な「大雪 森のガーデン」や、この場所ならではのおいしさを届ける三國清三氏プロデュースのレストラン「フラテッロ・ディ・ミクニ」など、北海道の自然を満喫できる場所だ。冬の雪原の素晴らしさはもちろん、夏は快適な避暑地としても人気。ここでフィールドを活用したアウトドアプログラムの開発を任せるアウトドアプロデューサーを募集中。
- 北海道上川郡上川町字菊水841-8
- http://www.daisetsu-asahigaoka.jp/
旭川から渋滞とは無縁の道をひた走り車で約1時間。たどりついた上川町の市街地は、商店や学校、公共施設がコンパクトにまとまったまちだ。そしてここは旭川から網走などへの観光の通り道であり、ひとの行き来があるまちだ。観光客は国道沿いの物産店に寄り、そこから約30分のところにある層雲峡温泉に宿泊するのが定番のコースだという。今回、観光客が「通り過ぎて」しまうところにあえて立ち寄ってみると、このまちの真の良さが見えてきた。
たとえば「水」。ここは大雪山連峰からの湧き水がもたらされるため、食べものがとびきりおいしい。農産物、畜産、すべてのクオリティが高い。みんな大好きラーメンも然り、清らかな水で製麺、スープをつくり、さわやかな空気、豊かな緑と三拍子揃っていることを理由に「日本一ラーメンのおいしい町」と称しているのだ。その強気感、推せる。
積雪量は北海道有数の深さで、10月から3月まで長い間数メートルの雪とともに暮らす。「雪に閉ざされる」という言葉があるが、真っ白な雪に覆われたまちは驚くほど明るいことをお伝えしたい。夜も白雪が映え、ここが特別な場所なのだと思い知る。
旭川から渋滞とは無縁の道をひた走り車で約1時間。たどりついた上川町の市街地は、商店や学校、公共施設がコンパクトにまとまったまちだ。そしてここは旭川から網走などへの観光の通り道であり、ひとの行き来があるまちだ。観光客は国道沿いの物産店に寄り、そこから約30分のところにある層雲峡温泉に宿泊するのが定番のコースだという。今回、観光客が「通り過ぎて」しまうところにあえて立ち寄ってみると、このまちの真の良さが見えてきた。
たとえば「水」。ここは大雪山連峰からの湧き水がもたらされるため、食べものがとびきりおいしい。農産物、畜産、すべてのクオリティが高い。みんな大好きラーメンも然り、清らかな水で製麺、スープをつくり、さわやかな空気、豊かな緑と三拍子揃っていることを理由に「日本一ラーメンのおいしい町」と称しているのだ。その強気感、推せる。
積雪量は北海道有数の深さで、10月から3月まで長い間数メートルの雪とともに暮らす。「雪に閉ざされる」という言葉があるが、真っ白な雪に覆われたまちは驚くほど明るいことをお伝えしたい。夜も白雪が映え、ここが特別な場所なのだと思い知る。
手つかずの自然が残る郊外は空前のスケール。電線すらない雪原をパノラマビューで楽しめる景色は日本にはそう残っていないことから映画やCMの撮影が行われるのも納得だ。寒いからこそもたらされるぬくもり・多幸感の最たる例はフィンランド式のテントサウナ。極寒で雪があるからこそ最高に楽しめるものだ。
そして特筆すべきは上川町のポテンシャル。観光客を迎えている素地があるので、よそ者も受け入れる度量の広さを感じる。そしてまちのあちこちで起こるイノベーションやチームラボの常設を実現してしまう突破力を目の当たりにすると旅人ながら「ここで暮らしてみたい」と思わずにはいられないのだ。
大雪かみかわ ヌクモ
ここは2019年夏に向け、新施設としてリノベーションしている旧小学校。地方での起業や就業を目指す人の拠点として、プロデューサー(地域おこし協力隊)がここで活動。そして“共創”をテーマにした教育的プロジェクト「チームラボ」による「あそぶ!天才プログラミング」の導入が決定。プログラミングもできるデジタルアート作品は国内初の常設展示。観光客はもちろん、地元民が集う場をつくるカフェプロデューサーを募集している。
- 北海道上川郡上川町字東雲139–5
- JR東雲駅より徒歩6分、JR上川駅より車で10分
- https://kamikawork.jp/nukumo/
(左)地元にチームラボが常設される贅沢がここに。(右)チームラボの遠藤香さんと浜田晶則さん。彼らが上川町を盛り上げる場所づくりとコトづくりを担う。
大雪 森のガーデン
HARIOランプワークファクトリー 上川
大雪 森のガーデン内にある、ガラス細工「HARIO」の工房。ガラス作家の作品はもちろん、地元で生産された装飾品、日用品が購入可能。また2016年1月から、技術スタッフを育成する場としても注目を集める。働きながらガラス作家としての技術が習得できる。
- 北海道上川郡上川町字菊水841-8 大雪 森のガーデン内
- http://www.daisetsu-asahigaoka.jp/hario.html
上川大雪酒造 緑丘蔵
酒造りの環境を最優先した結果、上川町に誕生した酒蔵が「緑丘蔵」。「ここにつくる価値がある」と名杜氏に言わしめた美しい空気と水で仕込まれた絶品の日本酒。その澄んだ味は土地の素材でつくっているため「上川町そのものの味」と、ここでも自然の恩恵を感じられる。酒蔵では、酒造りの現場を見学することが可能。また併設のギフトショップではオリジナル商品を多数展開。
- 北海道上川郡上川町旭町25
上川大雪酒造Gift Shop - 夏季10:00~16:00、冬季10:00~15:00
- 火・水曜(休日は営業)、不定休あり
※2019年4月27日までは10:00~15:00
(土・日・祝日のみ営業) - http://kamikawa-taisetsu.co.jp/
北の森ガーデン 熊牧場
北海道といえばヒグマである。「北の森ガーデン熊牧場」では、のびのびと遊ぶヒグマを間近でみることができる。くま用クッキー(200円)など、えさを与えることができ、おねだりポーズをするヒグマがかわいくて長居してしまう。入場無料なので、上川町に住んだらヒグマと顔見知りになれる、かもしれない。
- 北海道上川郡上川町栄町4
- 9:00~16:00
- 入場無料
- http://kitanomori.taisetsu-g.com/
層雲峡温泉 HOTEL KUMOI
上川町の観光名所である層雲峡温泉。温泉郷にはさまざまなホテルや旅館があるなかでイノベーションを感じるならHOTEL KUMOI(ホテルクモイ)がおすすめ。古くから層雲峡で営まれ廃業した温泉旅館「ホテル雲井」をリノベーションし「このまちの個性を体感できる」ようなホテルに。一般的なホテルとは違う「おもてなし」で、暮らしをイメージできるのが魅力だ。温泉があるまちに暮らすことは全日本人の憧れ。宿泊でまちの試着をしてみては。
- 北海道上川郡上川町層雲峡
- https://www.hotelkumoi.com/
1、層雲峡の「雲」を彷彿とさせるぷかぷかと白い煙の水タバコをふかし、良泉質の温泉に浸かってまちの未来にわくわくするのがおすすめだ。2、3、おしゃれすぎるラウンジ。ビリヤードは宿泊者が自由に遊べる。
お食事処さつき
数多あるラーメンのなかでオススメしたいのがこの「黒しおラーメン」(880円)。 “黒”は無農薬の比布町産久保農園の黒にんにくだ。そのコクとまろやかさが澄んだスープのアクセントに。太縮れ麺が食べごたえあり、満足度の高い1杯だ。
- 北海道上川郡上川町旭町25
- 4月27日から11:00~15:00、17:30~19:00
- 火曜
- http://www.satsuki-k.net/
ひめや製パン菓子舗
上川町民にまちの名物を聞いたら皆「よもぎの里」を教えてくれた。袋から出した瞬間にふわっと香るよもぎは、かつてないほどの濃厚な風味。無添加なので賞味期限は当日限り。
- 北海道上川郡上川町新町64
- 8:30~18:00
- 日曜
- http://www.shokokai.or.jp/01/0145710010/
セイコーマート 層雲峡店
北海道ご当地コンビニ、通称「セコマ」。オリジナル商品の乳製品がすこぶるおいしい。特に飲むヨーグルトは北海道北部・豊富町で生産される生乳のみを使用。「セコマのあるまちに住みたい」と言わしめる名物だ。
- 北海道上川郡上川町層雲峡
- 7:00~23:00
- https://www.seicomart.co.jp/
ぐるめ工房か夢かむ
上川町でパンを買うならぜひこの工房で。お食事パンからスイーツまで、つくりたて焼きたてを提供。「のどごしつるり」と「こっくりクリーミー」が共存する幸せプリンが人気。
- 北海道上川郡上川町北町189-3
- 9:00~18:00
- 月曜
- http://www.comecome.or.jp/
北海道上川町で、超実践的な地域創生を体感するインターンシップツアーが行われた。参加者は主に大学生や専門学校生。地元出身者や縁もゆかりもない東京・大阪など都市部の若者たちが地域活性の先進的な取り組みを体感した。
地域の問題に直面している現場=上川町のリアルを感じるプログラムは、まちを体感できる場と、課題の最前線で活躍する講師陣によるワークショップが凝縮した3泊4日間だ。「北海道旅行がしたくて参加した」という若者もいたが実際は真剣な眼差しで講義を受け、本気で上川町の未来を考える様子に、まちの明るい希望が見えたのが印象的だ。
上川町ではこうした体験型移住促進ツアーを適宜開催中。旅行ツアーに参加する気軽さでまちを体感してほしい。
文・編集:アサイアサミ(ココホレジャパン) 写真:小禄慎一郎