新たなビジネスは人とコトのセットで生みだせ。
- −上川町では塚原さんの上川大雪酒造やミクニのレストランだったり、ものすごい人たちによって町を象徴する食の拠点が出来上がっていますね。今後、食の分野で裾野を広げていくアイデアはありますか?

- 塚原:ここはおそば屋さんがない町。酒蔵もできたことだし、誰かおそば屋さんをやってくれたらいいなと思います。そばのことを勉強して上川町に開店してくれる人がいるなら、資金的に応援できる仕組みを考えればいい。
- −通年で働ける場所づくりにもつながりますね。

- 塚原:誰が何をするかというような、人とコトをセットにしていく仕組みづくりの中に移住促進のヒントがある。うちの会社なら、役場なら、酒蔵ならこういう働き方があるよ。そこにどんな人間が必要で、求めることをやってくれるならこれだけの報酬を払います、という情報を出し合って若者を全国から募る。そうすることでコトが実現できる。そこで食が大きく絡んでいくかと思います。
「みかんサーモン」に学ぶ「森のサーモン」。
- −大雪山を巡る近隣の市町村についてですが、町同士での地域連携についてはどう思われますか?

- 伊藤:「地域間」連携以前に「地元内」連携が必要かと。一次産業も住民参加型で何ができないかとか。僕が一番興味があるのは上川町で養殖されているニジマス。「銀河サーモン」という名前で販売されてますね。例えば愛媛ではギンザケにみかんを食べさせた「みかんサーモン」があるじゃないですか。それを真似て、上川町らしさを出すために大雪 森のガーデンのハーブをニジマスに食べさせたらどうかなとか。そういう発想を生み出すためにも地元の人のアイデアが必要なのかなと思う。
- −それはおもしろいですね。

- 伊藤:地域おこしの中でよそ者・若者・馬鹿者って話があるじゃないですか。その中に最近は「ジジィ力」も必要なんじゃないかと思ってる。人口3,800のうち半分以上がジジババになっていくのだから、彼らの力も必要ですよね。
最初の一歩は「Think Locally Act Locally」から。
- −最後に、上川町へ興味を持っている人へエールや一言をお願いします。

- 瀬川:会社が2017年4月にできたばかりなので、皆さんと一緒に上川町を盛り上げていければと思います。

- 北原:世の中にあるさまざまなコンテンツで、上川町に生かせるコンテンツがあればどんどん導入して、町づくりのヒントになればいいと思っています。私も自分のポテンシャルの中で活用できるものは全て投入していきたいです。

- 伊藤:エコロジー用語で「Think Globally Act Locally」という地球規模で考え、地元で動くという言葉があります。これからの時代の町づくりは「Think Locally Act Locally」で、まずは今の町の規模でできることから考えて勝負していくのが重要ではないでしょうか。

- 塚原:小さなお店や企業でも他にはない特色があると強いですよね。例えば温泉も強烈に硫黄が強いとか、ひとつ特色があると小さなところでもつぶれない。この町もそういうものを目指していくのだろうなと思います。上川町は小さな自治体ですから、規模は小さくても他にはない尖ったことをやって、どこにも負けない町にしていきたいなと思っています。